転職成功者インタビュー

TOPPANデジタル株式会社
大城柚木さん(仮名・システムエンジニア) 28歳

初めてやりたいことに出合えた。未経験だったSEの道を切り拓いた探究心と向上心。

経済的な安定を求めて新卒で大手企業に就職した大城さん。待遇には恵まれていたものの、技術を磨けないと感じる環境に「このままでいいのか」と悩みを募らせるように。そんなある日、設備トラブルの原因を追究しようと独学でデータ分析を始め、その面白さと可能性に気づいたという。

「もっと成長できる環境に身を置きたい」との思いから転職を決意。自らのITスキルを明示するポートフォリオを作成するなど努力を重ね、2023年5月、凸版印刷DXデザイン事業部(現:TOPPANデジタル株式会社)の沖縄サテライトオフィス「ICT KOBO URUMA」のシステムエンジニア(SE)として転職を果たした。

あくなき向上心で挑戦を続ける大城さんのキャリアストーリーに迫った。

※本記事の内容は、2023年10月取材時点の情報に基づき構成しています(凸版印刷DXデザイン事業部は2023年10月1日に「TOPPANデジタル」に社名が変更となりました)。

過去の
転職回数
0回
活動期間
エントリーから内定まで60日間

転職前

業種
エネルギー関係
職種
総合職
業務内容
設備の運用、庶務

転職後

業種
その他製造業
職種
システムエンジニア
業務内容
DX推進

データ分析の面白さと可能性を知り、自分が成長できる環境に身を置くため転職を決意。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

私が働くTOPPANデジタル株式会社の沖縄サテライトオフィス「ICT KOBO URUMA」では現在、地域課題をDXで解決するというミッションがあり、私は主に三つの仕事を担っています。

一つ目は、海産物の養殖過程の写真を撮影し、その画像を基に品質を判定するAIを作る取り組みです。二つ目は、DX推進を目指す近隣の企業や工場の皆さんのサポート。三つ目として、地域課題の解決をビジネスとして持続させるためのビジネスモデルの構築です。

入社前のご経歴を教えてください。

新卒で入社した前職は大手企業でした。技術職として採用されたものの、女性はサポート的な役割を求められがちな職場で、庶務業務がメインでした。技術を磨けない状況に「このままで大丈夫なのか」との不安が常にあり、もっとスキルアップしたいと考えていました。

入社から3年経ったころ、大きな設備トラブルがありました。そこで「データを集めて分析したら根本原因が分かるのでは」と考え、独学でデータ分析を始めました。

Excelベースからスタートし、途中からプログラミング言語を使って解析。そして原因の一端を突き止めることはできたのですが、当時はデータを見る文化が部署内になく、受け止めてもらえませんでした。

それでも諦めずに実績を積み重ねるうちに、周囲の認識が変わり始めました。発言力のある先輩が協力してくれたこともあり、部署内にも徐々に「データは財産なんだね」と認識してもらえるようになり、データを見る文化が根付いていきました。

転職のきっかけは?

データ分析の経験からデータサイエンスの面白さに気づき、本業にしたいと考えるようになったことです。前職では分析を基に問題を改善するための簡単なAIモデルを作ることはできましたが、ちゃんとした開発環境はなかったので、現場で使えるまでには至りませんでした。

さらなるスキルアップを目指して2022年9月に経済産業省のデジタル推進人材育成プログラム「マナビDXクエスト」に参加したことも、転職を決意する大きな決め手となりました。

企業が抱える課題の解決策をチームで模索・提案する同プログラムでの経験を通じ、「こんな仕事がしたい」と感じるようになりました。

そして、職場環境の整備を待つより、自分が成長できる環境に身を置いた方が何倍も社会に貢献できるだろうと考え、転職を決意しました。

転職活動はどのように進めましたか?

転職活動を始めたのは2023年1月、社会人5年目のことでした。いくつかの転職支援会社に登録して、企業情報をリサーチしました。転職支援会社の中には私の希望を考慮せず、ただ求人を押しつけるコンサルタントもいました。

そんな中でリージョナルキャリア沖縄(運営:株式会社レキサン)の担当コンサルタントは、学生時代の経験など原体験まで深掘りしてくれ、私がどんな考えに基づいて行動しているのか、転職の軸は何なのかを引き出してくれました。

今の会社に決めたポイントは?

凸版印刷の求人については私から打診しました。マナビDXクエストで検討した課題が「印刷会社のDX実現」だったこともあり、その後も印刷会社について調べていました。すると凸版印刷がDXに力を入れていること、さらに沖縄にサテライトオフィスを置いていると知り、運命的なものを感じました。

大企業でありながらスタートアップ企業のように挑戦できる環境で、自分が成長できそうだと感じました。仕事と生活のどちらも大切にできそうなバランスの良さも魅力的でした。

加えて、面接官だった現在の上司の言動に触れ、「多角的にロジカルに物事を見られる、こんな上司の下で働きたい」と思えたことも決め手となりました。

「このメンバーとなら結果を出せる」。自己効力感を得られる環境で働ける喜びを実感。

転職していかがですか?

ある程度のプログラミングやデータの統計処理は理解していましたが、システムエンジニアとして働くのは初めてです。職場のお荷物になるのではないかとの不安もありましたが、皆とても面倒見がよくてフォローしてもらっています。向上心がある素敵な同僚の皆に助けられています。

転職して良かったと思うことは?

一言で言うと、自己効力感を得られるところです。ミーティングで激しく議論し合っても、終了後には気持ちよくコミュニケーションが取れる同僚に囲まれているので、「このメンバーとなら頑張れる、結果を出せる」と感じています。

困っていることや課題はありますか?

物事を進めていく上での合意形成や、メンバーの意見をまとめていく力が、今の私にはまだ足りないと感じています。

生活面の変化はありましたか?

今は活用していませんが、リモートワークやフレックスタイム制も整備されているので、必要に応じて多様な働き方ができる環境があります。また、リフレッシュ方法としてパーソナルジムに通い始めました。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

私はIT業界で働いた経験がなかったので、自分の技術力を前職の経歴だけで示すのは難しいと感じ、自分のスキルや実績を伝えるポートフォリオを作成しました。それによりデータ分析の知見やITスキルの程度を具体的に示せたと思います。

転職を考える時は現職に不満や不安がある場合が多いと思いますが、行動しないと何も変わらないことを実体験として痛感しています。転職した方に相談したり、転職支援会社の方にアドバイスを求めたりと、ファーストステップを踏み出す勇気を持てたら、違う未来が見えてくると思います。

担当コンサルタントから

コンサルタント 
玉城 良樹

大城さんは技術系のバックボーンを持ちながら、前職の主なご担当は庶務業務でした。面談スタート当初は控えめな印象でしたが、お話を進めるにつれ、とても芯がある意思の強い方であると認識を改めました。

過去に遡ってお話を伺った結果、悔しいご経験をバネに努力を続けたことが、その意識の高さや行動力に繋がっているのだと感じました。あくなき探求心と向上心の塊のような方で、個人でAIを学ぶ研修に参加したり、与えられた職務の枠にとらわれず自ら仕事を生み出したりと、チャレンジする行動が習慣になっているのだと感じました。

転職をお手伝いする立場として、とても身が引き締まったことを覚えています。転職後もいかに自分の価値を発揮するかを探究されているようで、少しずつ独自の価値をつくり上げているように感じます。今後のご活躍がとても楽しみです。

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