転職成功者インタビュー

株式会社コーカス
松尾大樹さん(統括マネージャー) 52歳

52歳で出合った新ステージ。過去の成功体験を捨て、沖縄で小売業の魅力を追求。

世界的に有名なファッションブランド2社で28年にわたり、販売や店舗マネジメントの経験を積み重ねた松尾さん。転機を迎えたのは50歳を過ぎた頃だった。

当時の勤務地・沖縄に家族を残して単身赴任するか、慣れ親しんだ組織を離れて転職するかの岐路に立たされることに。熟考の末、60歳以降の人生を見越した働き方を見据えた松尾さんは、「沖縄のために働きたい」と転職を決意した。

とはいえ当時はコロナ禍の真っ只中。想像以上に厳しい転職活動で「50歳の壁」に悩みもがいた時期もあったという。そんな苦境を越えて2021年1月に株式会社コーカスに転職し、現在は同社が展開する「SuiSavon-首里石鹸-」の店舗マネジメントを任されるまでになっている。

一般的に厳しいと言われる中高年での転職を成功させ、組織の成長を支える存在として活躍する松尾さんのキャリアストーリーに迫った。

※本記事の内容は、2024年1月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の
転職回数
1回
活動期間
エントリーから内定まで128日間

転職前

業種
ブランド小売業
職種
総合職
業務内容
店舗マネジメント

転職後

業種
コールセンターなど各種ビジネスサービス、化粧品など物販事業
職種
総合職
業務内容
店舗マネジメント

「50歳の壁」にもがきながら、「沖縄のために働きたい」との想いで再スタートを決意。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

株式会社コーカスは2011年にコールセンター事業で創業し、2016年には手作り石鹸などを販売する物販事業の「SuiSavon-首里石鹸-」、2017年には保育事業「しゅりそら保育園」をスタートしました。

私は2021年にコーカスに転職し、現在は課長として沖縄県内の大型ショッピングモールに出店している「SuiSavon-首里石鹸-」5店舗のマネジメントや、全国のスタッフ採用活動に携わっています。

「沖縄のためになる。をする。」という当社の経営理念や、社長の緒方教介が大切にしている想いを販売現場に浸透させ、スタッフが働きがいや成長実感を得られる環境づくりに努めています。

入社前のご経歴を教えてください。

大学卒業後28年間、2社のファッションブランドで販売やマネジメント業務に従事しました。

1社目は東京にあるアメリカ発祥のファッション・雑貨の輸入販売企業で20年勤務。中高生の頃から憧れていたブランドで、販売員からスタートし、店長として新店舗の開業も経験しました。

勤務20年を迎えた頃、義母が体調を崩したことから妻と子どもが実家の沖縄に帰郷。しばらく離れて暮らしていましたが、やはり家族との時間を大切にしたいと思い転職を決意しました。フランスのラグジュアリーブランドから声を掛けてもらえ、沖縄の店舗で8年間、副店長を務めました。

転職のきっかけは?

コロナ禍による影響もありましたが、沖縄で勤務できる年限が終わりに近づいていたことが最大の理由でした。沖縄を離れて定年まで全国各地の店舗を回るのか、退職して沖縄に残るのか、選択を迫られる時期でした。

いろいろと考えた結果、私はやはり沖縄で働き、家族との生活を大切にしたいと考えました。加えて、60歳以降の人生を見越した働き方を考えた結果、「地域のため、沖縄のために働きたい」と強く思ったわけです。「沖縄を離れない」という軸が定まりました。

当時52歳だったので、あと何回チャレンジできる機会があるだろうかとも考え、「今が決断する時だ」と思い、2度目となる今回の転職を決意しました。

転職活動はどのように進めましたか?

転職を決意した後、3〜4社の転職支援会社に登録しましたが、結局ピンとくる提案やアプローチがないまま退職日を迎えることに。転職市況が厳しかったコロナ禍とはいえ、「このままではまずい。『50歳の壁』とはこういうことか」と感じました。

関心ある企業のリストアップや自身のスキルの棚卸しなどを進めながら、リージョナルキャリア沖縄(運営会社・レキサン)にもエントリー。すぐに連絡をいただき、担当コンサルタントにお会いしたところ、私の話を真剣に聞いてくれる人柄に「信頼できる方だ」と感じました。

当初は未経験の業種も視野に、まったくのゼロベースで考えていたのですが、「沖縄で小売業の価値を高めたい」との思いが強まり、担当コンサルタントから一番初めにご提案があったコーカスの面談をお願いしました。

今の会社に決めたポイントは?

「沖縄のためになる。をする。」といった組織の理念と、自分の考え方が合致したことが大きな決め手でした。良い行動や仕事を互いに褒め合う社風や、人材育成に対する考え方にも共感しました。

社風や職場のテンションが合うことは、とても大切だと思います。理念が単なる机上の空論ではなく、組織に浸透しているかどうか、社風に現れるからです。

何よりも、社長の緒方との面接が、とにかく楽しかったんです。「求められていること」と「自分が役に立てること」が一致していると感じました。それまでの「ブランドを守る」立場から、「ブランドを育てたい」という情熱が高まりました。

過去の成功体験や経験は横に置いて、「今いる場所にどっぷり浸かる」を意識する。

転職していかがですか?

入社から3年、一番良かったのは「ブランドの成長」を実感できるようになったことです。入社当初と今では「首里石鹸」の認知度はまったく変わりました。コロナ禍という苦境を越え、事業は急速に成長しています。

2023年11月にはフォーブス・ジャパンによる「第7回Forbes JAPAN SMALL GIANTS AWARD」のファイナリストに当社が選出され、社長の緒方が「ベストタレントイノベーション賞」を受賞したことも大きな喜びです。

転職して良かったと思うことは?

一緒に働いているスタッフの成長を感じられることも喜びの一つです。「お客様の期待をどうやって超えるか」「ニーズを引き出す対応だったのか」など、共通の言葉で語り合えるベースが醸成されてきました。

組織の急成長に合わせて、人材育成という課題はありますが、組織やスタッフの成長に合わせて、私自身も必然的にチャレンジせざるを得ません。そんな環境で働けることも喜びです。

困っていることや課題はありますか?

今は体力や気力は十二分にありますが、新しいことを吸収するスピードは今後遅くなる可能性があります。だからこそ新しいことにチャレンジし続け、自分自身を更新していきたいです。ともすると過去の成功体験や経験が鎌首をもたげてくるので、常にゼロベースに戻す努力を続けています。

もちろんすべての経験を捨て去る必要はありませんが、過去の経験は、あくまでも過去の経験。これは転職される多くの方が抱える葛藤ではないでしょうか。

だからこそ、「自分の経験は、いったん横に置いておく」「入った組織にどっぷり浸かってみる」を自分の標語にしています。

生活面の変化はありましたか?

現在は本社勤務なので土日の休みが多く、家族と一緒に過ごせる時間が前職時代に比べて格段に増えました。息子が通っていた中学校のテニス部で、昨年は第2コーチとしてお手伝いできました。

部活動も仕事も「方針を決めて、諦めずにやり続けること」という軸は同じです。「君たちが勝つことで、学校の仲間や地域の皆さんを元気にできるんだよ」と伝え続けています。今や同校は強豪校と言われるまでに成長しました。

こうした地域貢献ができるようになったのも転職したおかげだと感じています。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

まず一つ目に、仕事を通して得られるものは大きく二つあると思います。「経済的報酬」と、働くことで得られる成長実感や誰かの役に立っているという貢献実感などの「意味的報酬」です。まずは自分が働く上で何を大切にしたいのかを知ることが重要だと考えます。

二つ目には、入社した組織の社風や価値観にどっぷり浸かって、そこからスタートすることです。特に転職では前職のフレームワークや価値観が染みついているので、ひとまず過去の成功体験や経験を横に置いておく必要があると感じます。

三つ目は、精神と肉体のメンテナンスです。心と体はコインの裏表と同じ。仕事のパフォーマンスを高めるには、その両方を整えておくことが重要だと思います。

担当コンサルタントから

コンサルタント 
長濱 雅徳

松尾さんは、前職ではラグジュアリーなファッションブランド企業で、マネジメント業務をされていました。相談に来られた際には非常に若々しく紳士的で、しっかりとした芯やご自身の価値観を持っておられる方という印象でした。

お手伝いさせていただく上で、松尾さんがどうやって今の価値観に至ったのかなどを掘り下げてお聞きしました。数々の困難や乗り越えてきたご経験はもちろん、長年続けておられる空手、その他様々なことに対して真摯に向き合われる中で、今の価値観が形成されてきたことを感じました。

そして、素敵なビジョンを持つコーカス社の緒方教介社長のもとで「これまでに培った経験やスキルを還元していきたい」と転職を実現。転職のサポートを通じて社会人の先輩として、人として、心から尊敬できる方だと感じましたし、お会いするといつも私自身の背筋がピンと伸びます。今後ますますのご活躍が心より楽しみです。

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