株式会社環境設計国建
羽根田誠さん(設備設計) 36歳
電気設備設計から首里城復元を支援。配偶者の地元・沖縄に根差した暮らしを実現。
柔らかな笑顔と知的な語り口の羽根田さんは、東京の大手建築設計事務所で10年以上のキャリアを積んだ後、沖縄県内の企業から引く手あまたの中で株式会社環境設計国建へ転職。長らくプロフェッショナルを突き詰めてきた「建築設備設計」の分野で活躍している。
前職での日々は充実しており「後ろ髪を引かれる思いだった」という羽根田さんだが、「妻の地元である沖縄で地域に根差した暮らしがしたい」との想いから、小さな子どもを2人連れてのIターン転職だった。
現在は首里城復興関連プロジェクトの電気設備分野を担当するなど、地域社会に対するやりがいや使命感を覚える日々。在京大手からの地方転職だが「企業としての先進性は変わりません。むしろ、これまでとは違う用途の設備設計に携われることでキャリアアップにつながっています」と、いきいきと語る羽根田さんの転職ストーリーを紹介する。
※本記事の内容は、2025年10月取材時点での情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 1回
- 活動期間
- エントリーから内定まで100日間
転職前
- 業種
- 設計事務所
- 職種
- 機械設備・電気設備の企画・設計・監理業務
- 業務内容
- 電気設備設計、プロポーザルおよびPFI
転職後
- 業種
- 総合建設コンサルタント
- 職種
- 機械設備・電気設備の企画・設計・監理業務
- 業務内容
- 公共、民間案件における建築設備設計(電気)
地域の絆に心を動かされ、沖縄へのIターンを決意。転職先の決め手は面談での期待感。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
沖縄の総合建設コンサルタント企業、株式会社国建から設備設計部門が2004年に分社独立した株式会社環境設計国建で、主に電気設計分野を担当しています。
建物の用途・特性に合わせた電力・照明設備の設計や、防災設備の設計など安全性を強化する仕事に携わっています。
入社前のご経歴を教えてください。
大学・大学院で建築設計を学んだ後、都内大手の建築設計事務所に入社し、学校や図書館、研究機関といった施設の設備設計に多く取り組みました。
大学院時代から、サステナブルデザインなどの社会潮流を受けて意匠(デザイン)よりも環境設計への関心が高く、建築分野の中でも設備設計の世界に身を置きました。
転職のきっかけは?
「転職がしたい」というよりは「沖縄へ移住したい」という想いが先立つ理由でした。学校など地域に根差した施設の設計に多く取り組む中で、自分自身も公私共に地域に根差した生活を送りたいと思い続けていました。
転機となったのが、2020年に妻の地元である西表島で義妹の成人式に出席したことです。
成人式を地域全体で作り、式後には各々の家に地域の方を順次招いて食事会を開く場面に触れて、このような地域の結びつきの中で生活しながら、仕事で貢献していきたいと考えていました。
二人目の子を授かったタイミングで沖縄への移住を決断し、現在は南城市で暮らしています。
転職活動はどのように進めましたか?
土地勘のない場所、かつネットだけでの情報収集に不安があったことから、最初は全国的にも有名な転職サイトに登録。希望勤務地を沖縄と登録したものの、届くのは沖縄県外からのオファーばかりでした。
そんな中、一番早く沖縄県内の求人に関するメッセージをいただけたのが、リージョナルキャリア沖縄でした。
メッセージを機に、担当コンサルタントと一緒に転職活動に臨めたのは心強かったです。
転職活動に割ける時間がかなり限られている中、オンライン面談や貴重な来沖時の複数企業との面談調整をスムーズにサポートしてもらいました。スピード感と正確性の高いやりとりは大きな安心材料となりました。
今の会社に決めたポイントは?
前の職場と同じように、自社やグループ企業で建築設計にかかる意匠設計、構造設計、設備設計の各分野をすべてひっくるめてコンサル・対応できる会社を希望していました。
面談の中で「ぜひ一緒に働きたい」ということを、どの会社よりも力強く言ってもらえたことで、嬉しくて心が動きました。その期待に応えて、ここで働きたいと思ったのが一番のポイントです。
また、もともと前職時代に環境設計国建のグループ会社である国建とJV(ジョイントベンチャー)を組んで仕事をしていたことがあって馴染みがあったこと、沖縄の気候・風土に対する技術力・実績が多いことも理由の一つです。
フレックス制の職場で安心の子育て。転職成功のカギは「信頼できるコンサルタント」。
転職していかがですか?
首里城の復元・復興の支援やホテルの設備設計に携わっています。首里城の仕事は、沖縄の歴史の一つに刻まれますし、ホテルは沖縄の観光業を支えています。早速、このような“沖縄ならではの仕事”を担えることにやりがいを感じています。
転職して良かったと思うことは?
前の職場では学校や研究施設を多く手掛けていましたが、現在は違った用途・施設の設計に取り組むことで勉強にもなりますし、キャリアアップにもつながっています。
同僚が設計監理した、プライベートで利用できる施設に携わることも多く、家族や親戚も私の仕事を身近に感じてもらえる機会が増えました。
困っていることや課題はありますか?
慣れない沖縄の地名や名前を覚えるのに苦労しました(笑)。音だけ聞いても、頭の中にぱっと漢字が浮かんでこないので関連付けが難しく、最初の1年間は大変でした。
生活面の変化はありましたか?
設計業界はハードワークが多いのですが、現在の職場環境はフレックス制が推奨されて、複雑な手続きなく勤務時間を調整できるので助かっています。
夜は子どもの夕食・入浴の時間を使うので、早朝に出社をしています。通勤渋滞も避けられ、子育てがしやすい沖縄の環境も魅力です。
東京に住んでいる時は電車での移動や飲食店利用時に子どもを連れていると、周囲に迷惑をかけないよう気を遣う場面が多かったのですが、沖縄ではそのようなプレッシャーを感じません。
むしろ子どもを連れてスーパーで買い物をしている時に、地元の方が頻繁に話しかけてくれるのが嬉しいです。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
転職に当たって、自らや家族のことでこれだけは譲れないという「must」の部分と、できれば叶えたいという「want」の部分を整理しておくことが大事だと思います。
私の場合は、初めての土地で仕事も生活もすべてが新しいことだらけにならないように、「仕事面では自信を持って会社の役に立てる職種を選ぶ」という点を重視しました。
また、前述のように、転職活動のスタート地点として、信頼できるコンサルタントと出会うことも大切です。相談をする中で思考も整理できるので、満足のいく転職活動が進められると思います。