株式会社青い海
神谷宏隆さん(仮名・経営企画) 37歳
沖縄移住という夫婦の夢。残された時間の大切さを重視して移住を決意。
関西出身の神谷さんは、大阪の大手物流企業で管理職として活躍していた。だが昇進するに従って仕事量は増え、毎日の帰宅は遅くなり、土日に仕事をすることも当たり前になっていった。
そんな生活の中で芽生えた夢が、「いつか夫婦で沖縄に移住すること」だったという。38歳で夢を実現し、沖縄の美しい海が眼前に広がる会社で第二の人生を歩み始めた神谷さん。転職の経緯とその後の暮らしぶり、またU・Iターン転職を考える人へのアドバイスなどを伺った。
※本記事の内容は、2020年12月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 2回
- 活動期間
- エントリーから内定まで104日間
転職前
- 業種
- 大手物流会社
- 職種
- 人事・総務・労務
- 業務内容
- 総務・人事・労務・採用・法務・経理・財務会計の各業務のマネジメント。全体の経営会議、部門の業務実行管理、役員との折衝など
転職後
- 業種
- 食品開発、製造、加工、販売
- 職種
- 経営企画
- 業務内容
- 企画管理業務全般
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現在のお仕事はどんな内容ですか?
沖縄本島最南端の糸満市に本社があり、「シママース」というブランドの塩製品を製造販売している株式会社青い海で、経営企画の仕事に携わっています。
経営課題を明らかにし、それに対する戦略や改善策を考えて各部門に橋渡ししていくことが私のミッションです。また経営企画部に含まれる人事総務課長も担当しています。
入社前のご経歴を教えてください。
出身は京都ですが、大学を卒業してからはずっと大阪で働いていました。自動車ディーラーで3年間営業を経験した後、大手の物流企業に転職、管理部門の仕事に取り組みました。
労務管理業務から徐々にキャリアアップし、最終的には人事・総務だけでなく、経理、法務、財務会計など、さまざまな業務のマネジメントを任されるようになりました。全体の経営会議にも出席し、経営のてこ入れや、役員との折衝なども行うようになりました。
転職のきっかけは?
結婚する前から妻と沖縄によく旅行に来ていたんです。最初に訪れた時にフィーリングが合ったのか、沖縄が大好きになりました。それからは3か月に1度のペースで沖縄に来るようになり、いつしか「沖縄で暮らすこと」が二人の夢になっていました。
また、以前は仕事とプライベートのバランスが取れていないと感じていました。そんな生活をこれから20年間続けていって、「ありたい自分でいられるのか?」と考えたことも、転職を決意するきっかけとなりました。
でも当時は仕事が本当に忙しく、なかなか辞められない状態。移住の準備を始めてから実際に行動を起こすまで、3年かかりましたね。職場で部下が育ち、自分がいなくても大丈夫な組織になったと判断できたタイミングで会社を辞め、沖縄へ移住しました。
転職活動はどのように進めましたか?
私は長く人事担当をしていたので、人材紹介会社とも日々お付き合いがあり、転職は身近なものでした。その経験から、良い転職をするには求職者の声だけでなく、経営者の生の声を聞いている紹介会社を選ぼう、と考えました。
というのも、紹介会社の中には、求職者と話す担当者と求人会社の担当者が別、というところも少なくありません。それだとミスマッチが起きやすく、私が採用する側だったときにも「自分たちの思いが伝わっていない」と歯がゆくなった経験が何度もありました。
そこで出会ったのが、リージョナルキャリア沖縄でした。実際にコンサルタントと話してみると、地元の企業にしっかり足を運んで生の情報を収集していることがわかり、すぐに「ここにお願いしよう!」と決めました。
とはいえ、私が希望していた経営や戦略に携われる仕事は、沖縄では多くないこともわかっていました。ですから、コンサルタントにも「ゆっくり探してください」と伝えていたのですが、すぐに5社ほど紹介してくれました。結果的に1か月ほどでトントン拍子に内定まで至りました。
今の会社に決めたポイントは?
経営者が今後のビジョンを具体的に見せてくれたことです。当社はまもなく創業50周年を迎えますが、近年の塩業界はゆるやかに縮小傾向にあり、残された市場を複数の会社で取り合う状態です。
私が選考を受けたのは、会社が今後も生き残っていくために、経営陣が事業や組織の強化にむけて取り組みを始めたタイミングでした。常務が面接の場で自社のイノベーション案を披露し、「これを実現するのが、あなたの仕事ですよ」と言われたことが特に心に響きました。
また、以前の会社は2,000人規模でしたが、同社は100人ほど。規模が小さいので組織の細部まで見ることができますし、自分の経験を活かして力を発揮できるイメージを持つこともできました。
昼は目の前のビーチで休憩。夜はランニングや勉強ができるように。
転職していかがですか?
まずびっくりしたのは、残業がほとんどないことです(笑)。プライベートな時間がしっかり持てているからでしょう、社員と会社の関係もとても良好だと感じますね。
仕事の面でも、十分な権限と責任を担わせてもらっています。入社早々に中期経営計画を推進していく会議に参加し、人事・総務・財務面の領域や、各部門と連携し経営戦略を実行していく業務を任されました。基本的にはのびのびと主体性をもって取り組ませてもらえており、変な気を使うこともなく、自分の仕事に専念できています。
また入社直後に私から希望して、いろいろな部署で研修をさせてもらいました。会社のことを早く知るため、また社内のメンバーに私の顔を覚えてもらうためです。工場にも入って、皆と一緒に汗を流しながら塩づくりもしました。
前職時代から私が大切にしているのは、現場へのリスペクト。「上からえらそうに」と感じさせてしまっては、現場の皆に気持ちよく動いてもらえませんし、現場の課題も見えてきませんからね。
転職して良かったと思うことは?
自分の時間が増えたことと、自分の能力を活かした仕事ができていることです。しかも、経営者と一緒に仕事をすることで、これからさらに自分の目線や能力を高めていけそうだと感じています。
もちろん課題もたくさんありますが、そのぶん伸びしろもあると感じています。「このままではいけない」という危機感が経営者にありますし、私も大きなやりがいを感じています。
困っていることや課題はありますか?
仕事の面では特に感じていません。ただ、生活するうえで、例えば雨が降ると塩っ気で家も車もベタベタになることや、道路の渋滞が発生しやすいことなど、いくつか気になることはあります。でも、そんなことは気にならないくらい、沖縄の暮らしに満足しています。
生活面ではどんな変化がありましたか?
今は那覇市の近郊でマンションを借りています。糸満市にある会社にも、那覇市の中心部にも、車で15~20分で行ける立地です。周囲には移住者も多く、新しいマンションもどんどんできているので、選択肢は豊富にあります。
転職して帰宅時間はかなり変わりました。前の会社では仕事が終わるのは早くても22時でしたが、今はほぼ定時の17時。明るいうちに帰るのは、最初はとても罪悪感がありましたし、時間も余ってどうしたらいいのか戸惑いましたが、最近はランニングをしたり、本を読んで勉強したりと、有効に使えています。
また以前は土日も休めないことが多かったのですが、今はしっかり休めています。週末は必ず、夫婦であちこち出かけて、沖縄の生活を満喫しています。以前の不規則な生活も改善され、食事も3食きちんと取っているので、体の調子もすごくいいです。
沖縄の魅力は?
まずは“青い海”ですね。会社からも見えるんですよ。海辺に会社と工場があるので、歩いて1分でビーチへ行けます。またこのビーチがきれいなんです!昼休みは歩いてビーチに行って、海を見ながらご飯を食べたりしています。
あとは人々が醸し出す、ゆったりとした空気感がいいですね。沖縄の人はせかせかしてないので、おだやかに暮らしていけます。かといってけっして田舎ではなくて、那覇や浦添は私が以前住んでいた大阪の郊外よりもよっぽど都会。必要なものは手に入るので、不便さはまったく感じません。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
転職は人生の大きな転機です。躊躇したり、不安になることもあるでしょう。でも、まずは情報を集めてみないと、なにも始まりませんよね。情報を集めるには、気軽に転職支援会社に相談してみたらいいと思います。
特に沖縄での転職を考えているなら、自信をもってリージョナルキャリア沖縄をおすすめします。人事担当をしていた自分の目線から言うと、リージョナルキャリア沖縄のよいところは、求職者の視点と経営者の視点を両方持っていること。だから的確なマッチングができるし、いろんな提案もしてくれます。自分が考えてもいなかったような、新しい可能性を見つけてくれるかもしれません。
また、担当者以外のスタッフとも話をしてみましたが、リージョナルキャリア沖縄は全員が同じ思いと意識を共有しているので、安心して相談できます。あきらめずに取り組んでいれば必ず自分に合う仕事は見つかると思いますので、自分のやりたいこと、自分にできることを整理して、まずは動き出してみることが大切だと思います。