採用が経営を変えた瞬間

企業TOPインタビュー

沖縄を代表する企業の経営TOPに、事業ビジョンと期待する人材像についてお聞きしました。

沖縄の暮らし・経済を支え続ける沖縄の物流をワンストップで担う。

琉球海運株式会社
常務取締役 宮城 勝

更新日:2022年1月12日

1987年4月 琉球海運株式会社 入社
1991年8月 東京支店営業課主任
1995年8月 経営企画室企画課係長
2005年8月 営業部営業チーム課長
2010年6月 福岡支店副支店長
2016年6月 取締役総務部長
2018年6月 常務取締役
※所属・役職等は取材時点のものとなります。

「海‐陸‐倉庫」沖縄の物流をワンストップでサポート

琉球海運株式会社(宮城茂代表取締役社長)は1950年に創業、2022年に創立72年を迎えます。戦後、物資が不足していた沖縄で、当時の琉球政府が米軍の払い下げ船を使って生活物資を供給していました。その業務を民間として引き継いだのが、当社の始まりです。沖縄と本土の往来に船を使っていた時代は、貨物輸送と旅客船の2事業が柱でした。時代と共に人の移動は飛行機が主流となり、2006年には旅客輸送から全て撤退。1995年以降は3年ごとに、貨物輸送に特化した船に切り替えていきました。現在7隻を所有しています。「船に積む前後の輸送も、一貫して担ってほしい」というお客様からの要望を受け、陸上輸送も手掛けています。さらに2021年度現在、県内3カ所と福岡1カ所の計4物流センターを運営するなど、近年は倉庫業にも注力しています。

お客様のニーズに寄り添い、陸上輸送と倉庫業をスタート

沖縄では2008年頃から観光客が増加し、それに比例して貨物輸送の総量も増えてきました。取引しているお客様から「沖縄の倉庫が狭くなって困っている」という声を数年前からいただいていました。海上輸送事業において船への投資は莫大な金額ですが、実は旅客船から貨物船に変えたことで、1隻あたりの運営コストを大きく下げることができました。それらを原資に、2019年度には糸満、那覇、中城に相次いで3物流センターを整備し、さらに2021年6月には福岡・博多港のアイランドシティ地区に、県外初となる物流施設「博多港総合物流センター」を開設することができました。さらに2022年1月には、県内最大級の物流センターとなる「琉球ロジティクスセンター」の着工が始まり、2023年夏ごろの開業を予定しています。これはイオン琉球様から「将来を見据え、より広い物流センターを整備したい」とのご要望を受け、両社が連携して豊見城市に建設を進めているものです。1階部分はイオン琉球様、2階部分はテナントを誘致する予定です。

わが社の最大の強みは海上輸送です。コロナでやや停滞した面もありますが、沖縄は毎年、観光客も増加傾向で人口も増えています。それに伴い輸送量が増えています。当社にとっては良いのですが、メーカーなどお客様にとっては物流コストの負担も大きい。「海上輸送と陸上輸送を一貫してサポートする」ことで、トータル的なコスト削減や効率化を図りたいというお客様の課題を、一緒に解決できるノウハウが蓄積されると考えています。

環境問題への取り組み、ドライバー不足など課題も

環境への配慮は、物流業界にとっても重要な課題です。当社では2019年、硫黄酸化物の除去装置を搭載した船「あやはし」を導入しました。加えて、脱炭素社会の実現に向けた代替エネルギー問題については業界全体の大きな課題です。水素エネルギーに向かうのか、アンモニアの活用に向かうのか、世界的な技術開発の動向を注視しているところです。代替エネルギーを導入した場合、船の更新に伴う投資は相当莫大なものになります。業界間で競争ばかりしていると、投資もできません。連携できるところは連携して共同で取り組む必要に迫られるでしょう。当社は、グループ会社がトラック輸送も担っています。荷物をエンドユーザーまで届ける「ラストワンマイル問題」も非常に悩ましい課題です。ドライバー不足は年々深刻になっています。一方、荷物の総量は増えるばかり。ドライバーが効率よく配達できるよう、指定時間の緩和など、県内でも業界を挙げて取り組む必要があると思います。

海外展開や新規事業を視野に、人材育成と採用を展開

海外展開の足掛かりとして2019年、台湾駐在員事務所を設置しました。現在は週1便、「福岡―鹿児島―那覇―台湾・高雄」間を運航しています。利便性を高めるためには、いずれは週2便に増やし、台湾と沖縄を行き来する貨物も増やしていきたいです。沖縄もいずれは少子高齢化が進み、人口減となる見通しです。一方、東アジアや東南アジアは経済的にまだまだ伸びる地域。まずは台湾との物流を充実させることで、海外展開の足掛かりにしていきたいと考えています。加えて、今後は物流以外の新規事業にも挑みたい。そのためには事業開発や企画部門のノウハウや経験を持つ方も採用したいです。物流に携わった経験がある人はもちろん、経営計画やキャッシュフロー計算書、貸借対照表、損益計算書などを見慣れている人、数字を見て課題がどこにあるのか分析できる人がいたら素晴らしいですね。

当社には現在、台湾事務所を含む7支店・営業所と、県内外17のグループ会社があります。新規事業を進めるとなると、グループ全体として経営の効率化や経営資源の配分を考えないといけません。2017年に立ち上げた「グループ戦略室」では、各社でコアになる人材の能力開発を含め、各社のビジョンやミッションを作り、互いの目線を合わせていく役割を担っています。目標を遂行するために、どういうことを仕掛けていくのか――。すぐに結果が見えることではなく積み重ねが重要です。目標を設定し、アプローチの方法を確認しながら、あるべき方向に導いていける人材を求めています。また当社では、リーマンショック前後の約6年間、客船から貨物船に切り替えるために多額の投資が必要だった時期に、新卒採用を控えた時期がありました。その影響で40歳前後の人材層が薄い。将来的な経営層を考えると、その年代の空白を埋めたいという狙いもあります。

昨今はDX推進が叫ばれますが、まずは社内の既存業務のデジタル化が課題です。うまく仕組み化できる能力のある人材がいれば採用したいですね。人材採用については近年、即戦力となる中途採用も積極的に進めています。船舶部門の採用については、沖縄には幸い沖縄水産高校があり、沖縄を軸に働きたい学生も多いため、ほぼ毎年一定数を新卒採用しています。本社の経営に携わる人材採用については、従来は新卒採用が主流でしたが、昨今は物流センターの開設など事業規模が拡大しているため、Uターン・Iターンなど中途採用も始めています。 

自由な発想と気風で、沖縄の暮らしと経済を支え続ける

東京・大阪・福岡を含めて沖縄県内県外に支店がある当社は、ジョブローテーション制度を取り入れています。支店で5年間勤めた後は、本社に1回戻って勤務する仕組みです。部署間の異動を含め、一定期間で業務をいったん整理して新しい仕事に挑んでもらうことで、段階ごとにステップを踏んでもらうイメージです。本土と行き来できる環境は、社員の成長にもつながっていると感じます。間もなく創業72年、おかげさまで4カ所の物流センターを構え、沖縄の物流を支え続けてきましたが、まだ有機的に結合できていない部分もあります。直近の課題としては、琉球ロジティクスセンターを無事竣工させつつ、福岡に開設した博多港総合物流センターの波及効果も高めていきたいです。沖縄を拠点とする企業として、県民やお客様の困りごとや課題を解決できる企業であり続けたいと願っています。

その意味では、まだまだ成長期にある会社・業界です。当社には自由な発想や気風もあります。現在は物流センターの開設等もあり、人手が足りずに新規事業や新サービスには手が回っていない状況ですが、過去には県内に進出するコーヒー専門店に出資したこともあります。現在進めている倉庫施設整備が落ち着いた後には、新たな業種への進出も検討したいと考えています。物流事業を支えたいと願う皆さんはもちろん、新規事業に挑みたい方々と共に、沖縄の暮らしや経済を支えるチャレンジを、これからも続けてまいります。

沖縄の離島では台風が来ると物流が一気に止まってしまい島の生活がとても不便になります。私は沖縄本島より更に南に位置する石垣島の出身であり、また日本最南端である父の故郷の波照間島によく行っていましたが、小さい島なので物流が止まることでの影響を肌身で感じており、まさに海運物流は生活のライフラインであることを実感しています。RKKのマークがついた琉球海運の大型貨物船を石垣港でよく見ており、とても親しみを感じながら育ちました。近年では海運や陸運だけではなく倉庫業も手掛けており、他業種への展開をしています。このインタビュー記事では具体的に記載しておりませんが、あらたな業種への進出のビジョンも語って頂きました。今後の琉球海運の航路に前途洋々たるものを感じるインタビューとなりました。

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