2024.12.04
【2024年11月】沖縄県のAI活用最新動向レポート
こんにちは。リージョナルキャリア沖縄のスタッフです。
企業、観光、メディア、行政、教育など幅広い業界でAIテクノロジーの導入が進む沖縄県。今回は、県内の企業や自治体におけるAI活用の最新事例をご紹介します。
企業におけるAI活用
新規事業開発分野での人材ニーズ
企業の新規事業開発でも、AIを活用した革新的な取り組みが始まっています。
京都に本社を置く株式会社80&Companyは、NFT/DAOやAIなどの先端テクノロジーを活用した事業開発ニーズの高まりから、那覇市に株式会社OCT-PATHを設立。「イノベーションを加速させる生成AI時代の武器をつくる」ことを目的に、生成AI・LLM研究部門を新設しました。
同部門では、SALES AIによる営業活動の自動化・効率化、DIAGRAM AIによるシステム開発の設計・仕様図自動生成、SmartVoice AIによるカスタマーサポートの音声応答自動化など、3つの新サービス(α版)を発表。インドネシアでのオフショア開発を活用した短期プロトタイピングにより、2年間で100個のプロトタイプ創出を目指しています。
この取り組みは、コストパフォーマンスとスピードを重視しながら、企業のAI活用範囲の拡大を支援するもので、業務効率化だけでなく、新たな価値創出やビジネスモデル構築のサポートを通じ、地域企業のデジタル革新を加速させることが期待されます。
福祉DXを推進するAIイノベーション
本社を那覇市に置き、首都圏やベトナム、韓国にも拠点を展開、福祉DXの革新的な取り組みを勧めるサンクスラボ株式会社も、県下の注目企業です。
「ヒトとギジュツの無限の力を信じ、公私物心の豊かさを実現する」を企業理念に掲げ、AIを活用した障がい者の就労支援プラットフォームの開発に注力。AIによる業務マッチングシステムとテレワークを組み合わせた就労支援プラットフォームを構築し、ウェブ開発、アプリケーション開発、AI学習データの整備、データ入力などのBPO業務において、AIによる業務効率化と品質向上を実現しています。
特に注目されるのが、AIとIoTセンサーを統合した養殖事業のDX化プロジェクトです。ベトナムでのオフショア開発拠点でのAI人材育成と合わせ、この取り組みは障がい者の社会参加促進と地域産業のデジタル革新を同時に実現する新しいモデルとして期待されています。
サンクスラボの詳細については、こちらの記事もご覧ください。
ITで福祉を革新する「サンクスラボ株式会社」求人特集|リージョナルキャリア
業界別のAI活用
観光業界
年間10万人が訪れる、うるま市の鍾乳洞「CAVE OKINAWA」では、TIS株式会社と株式会社CAVE OKINAWAによる生成AIを活用した多言語音声ガイドサービスの実証実験が行われています。これは、スマートフォンで二次元コードを読み取るだけで、日本語、英語、中国語での音声ガイドを利用できる仕組みです。
観光客数が過去最多を更新する中、この取り組みは観光業界の人手不足解消と訪日観光客の満足度向上という二つの課題に応える新たな試みとして注目されています。
メディア業界
2025年1月からは、琉球朝日放送(QAB)がNECと共同でAIアナウンサーの導入を開始する計画です。DeepBrain AI社の技術を活用したこの取り組みは、80カ国以上の言語に対応し、ニュースや災害情報を多言語で発信することを目指しています。
この取り組みは沖縄県の「令和6年度沖縄DX促進支援事業補助金」の支援を受けて実施され、外国人観光客や在住外国人向けの情報発信強化が期待されています。
自治体・教育現場でのAI活用
行政分野でのAI活用
那覇市は2023年12月「那覇市生成AI活用方針」を策定。生成AIの本格導入を開始しました。「デジタルで変わり続けるまち・那覇」を基本理念に掲げ、この方針では生成AIの利用範囲や安全な利用、適切な取り扱いの徹底などが定められています。実証実験では、文書作成業務の効率化や多言語対応の促進など、具体的な成果が表れています。(※1)
特に注目される取り組みとして、AIチャットボットの導入が挙げられます。那覇市をはじめとする県内自治体では、住民サービス向上を目的としたAIチャットボットの活用が進んでおり、行政手続きの案内から生活関連情報の提供まで、幅広いサービスを展開しています。
これらのAI活用により、行政サービスのデジタル化が加速し、住民の利便性向上と業務効率化の両立を実現しています。今後は、AIの活用範囲をさらに拡大し、より高度な行政サービスの提供を目指しています。(※2)
・参照:
※1 那覇市生成AI活用方針の策定について
※2 沖縄県内の官公庁チャットボット導入事例8選
教育分野での展開
教育分野でも、先進的なデジタル技術の活用が始まっています。不登校オルタナティブスクール「NIJINアカデミー」は、2024年11月に那覇市に実地教室を開校します。
同スクールはメタバースを活用したバーチャル学校として知られ、これまで約200名の小中学生が入学し、学校満足度91.4%、出席認定率98%という高い実績を上げています。
那覇校では、メタバースとリアルを組み合わせたハイブリッドな学習環境を提供します。週の半分をメタバースで、残りをリアル教室で学ぶことが可能となり、発達障害や特性により学校での集団生活が難しい児童生徒でも、自分に合った学び方で成長できる環境を整備します。
全国の教室やメタバースと繋がった学習活動を通じて、沖縄特有の地域教材も取り入れた豊かな教育活動を展開する予定です。
このように沖縄県では、企業による独自のAIサービス開発から、観光地での多言語対応、メディアのAIアナウンサー導入、行政・教育分野でのDX推進まで、様々な分野でAIテクノロジーの活用が進められています。
沖縄のAI関連の求人
以下に沖縄市勤務の求人の一例を紹介します。
※「2024年12月6日」時点の求人情報となります。閲覧されるタイミングによっては掲載が終了している場合もございますので、あらかじめご了承ください。
|エンジニアリングマネージャー(EM)/サンクスラボ株式会社
<勤務地>沖縄県那覇市
<想定年収>800万円~1200万円
<主な職務>開発プロジェクトの管理・推進、開発体制検討及び構築・管理、プロダクト企画の上流での検討、社内のIT化推進(DXチームと協同)等
|新規事業開発推進ポジション(AI分野)
<勤務地>沖縄県宜野湾市
<想定年収>400万円~500万円
<主な職務>事業戦略・計画の策定、市場調査の設計・分析、マーケティング戦略・計画の策定等
|AIエンジニア/株式会社プロトソリューション
<勤務地>沖縄県宜野湾市
<想定年収>500万円~650万円
<主な職務>AIを活用したプロダクト開発(要件定義→基本設計→モデル実装/評価→詳細設計→システム実装→UT/IT→ST→リリース)
その他の沖縄県/AIの求人情報
https://rs-okinawa.net/job?search_income_type=1&search_keyword=AI
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